【未来創世学】講演会






今年度から、2学年の生徒を対象にした未来創生学がスタートしました。この科目は、生徒が身近な課題に興味・関心を持ち、解決策を模索しながら探究活動を進める過程を通して、人生に必要な力を培うことを目的にしています。


 6月と7月には、フィールドワークに加えて地元で活躍する方々を招いての講演会を行いました。
 6月10日にはJA常陸枝物部会の石川幸太郎さん、7月8日には菓子処「ふるさわ」の古澤豊巳さん、同じく15日には有機野菜農園コトコトファーム園主の古東篤さんをお迎えしました。

 石川さんは、耕作放棄地が広がる地元の課題を解決しようと平成17年に花桃の栽培を生産者9名でスタート。現在は250品目を市場に出荷し、茨城の「奥久慈ブランド」として全国的に認知されるまでになりました。JA常陸で野菜や花の流通の様子も見学させていただき、地場産業の枝物について知ると共に、地域の課題から産業を興したその経緯を詳しく伺うことができました。

 古澤さんからは、時代の変化にあわせて試行錯誤を繰り返してきた先代の挑戦や、ご自身の東京での下積み時代のお話など、様々な角度から「働くこと」について語っていただきました。現在の経営については「お客様を裏切らないよう取り組むこと」「守るものは守り、時代にあわせて失敗を恐れずチャレンジすること」を大切にしているとの想いを語ってくださり、慣れ親しんでいるお店の味がどのように培われてきたのかを知ることができました。

 古東さんは、震災後に常陸大宮市に移住し、脱サラで農業をスタートさせました。作物を作るだけでなく宅配販売までを行うため、その販売方法の違いや、有機農業がどのようなものなのか、身近な農業について異なる角度からお話を伺うことができました。「難しいといわれる有機農業の道に進むのは不安じゃなかったですか」「一番大変なことはなんですか」などの生徒からの質問に対して、何に幸せを感じて仕事をしてるかというお話や、今も失敗は続いているがそれでも挑戦を続けているというお話に、生徒たちは自分のキャリアについても考える機会になったようです。

 未来創生学では、地域の人材や産業に触れながら生徒自らが探究したい課題を設定し、自分の興味関心を深めたり、地域の課題解決に係る取り組みを進めていきます。